自然ってすごいっ!

4年くらい前、アメッドと言う北東の村へ行った時に、採れたてのカシューナッツを殻付きのまま数キロ買って来ました。
そのまま生で殻を割って食べたらとても美味しかったのですが、殻から外すのが意外に大変だったので、そのまましばらく放っておくと、もう食べれない程渋くなってしまいました。
自然の物だし、と家の隣にある空き地に殻付きナッツを捨てたのです。
それが、芽を出し、葉を出し、
今ではこーんなカシューナッツの木に成長しました。
(じゃーん!)

高さ約3mちょっとはあります。
去年から実を付け出したのですが、それにしても早い!
水まきも何もしていないのに
(育てる意識なんてまったく無かったのだから)
すごい!
自然の生きる力って本当にすごすぎる!
と、一人で感激中ですが、
その、気になる実とは、

赤く、甘〜い独特な香りがします。
(何故か、”ドクター・ペッパー”を思い出しました)
熟したネクタリンのように柔らかい。
その実の下に勾玉のようなあのカシューナッツの形をした種がぶら下がるようにくっついているのです。
この殻の中にカシューナッツが入っているわけです。
種が外についているなんて面白いですね。
ということは、、、、と、実の部分を切ってみると

全部実!
(こんな形にはきっと、カシューナッツなりの思惑があるのでしょうね、
いつか聞いてみたいと思います)
一口食べてみたら、一瞬甘く、
ネクタリンとリンゴのミックスから酸味をとって甘さを足したような味。
表現するのがむずかしい、、、
その後すぐに口の中が全面しぶみでモワモワしてきました。
う〜ん、食べても良い物だったのか??
ちょっと心配になるくらい変な渋みです。
カシューナッツの方がやっぱり美味しいです。
アメッド、で思い出したことがあるのでついでに、、、
泊まっていたバンガローで、マッサージをしてくれたおばちゃんに
“もしお金がまとまって入ったら何を買う?”
と不躾な質問をしたとことがあります、
私はテレビかな?
携帯電話かな〜?
なんて何気なく思っていましたが、
彼女は迷うことなく“お米”と答えました。

アメッドは岩山からすぐに海という地形で、
バリの他の地域が雨期で大雨でも、ほとんどかんかん照りのことが多い上、大雨が降っても、そのまま海に流されてしまうような丘陵です。
なので田んぼはありません。
ひからびた土地にトウモロコシが植えてあります。
カシューナッツも育ちます。
ほとんどの男性は、ジュクンと言うアウトリガーと帆の付いたボートで漁をして一家の家計を支えています。
素晴らしい塩田があり、
とても美味しい深層海流の塩が昔ながらの製法で作られています。
彼女曰く、
毎日の主食は米とトウモロコシの粉を混ぜたもの、
お金がなくなると、トウモロコシだけ、
お金があればたまーに白米だけが食べられるそうです。
毎日白米を食べられることが夢ということです。
こんなに身近で主食に対する危惧の言葉を聞いたのは、
ショックでした。
これは、こんなに豊かであるような南の島の一部で今現在ある事実です。
ちなみにカシューナッツを買ったのは丘陵の上の方なんですが、そこにも人が住んでいて、毎日、飲料水を麓の井戸まで汲みに行くそうです。

蛇口をひねれば水が豊富に出て来て、毎日のご飯の心配もしないで生活出来ることが、当たり前ではないのだと考えさせられたことを、カシューナッツの木を見るたびに思い出します。