創業1941年

    
久しぶりに寄った、サヌールの海近くにある
“イカン・ゴレン”(揚げ魚)屋さん。

ここのお食事メニューはたった一つ、
“イカン・ゴレン セット”のみ
お昼時に行くとたいていは空席待ちで、炎天下の中、列んで待つことになるのですが、先週末はニュピ明けだったと言うのもあり、すんなり席をゲット、ラッキー。
席に着くとまず飲み物を選び、そして
「何人前?」
と聞かれるのみ
選択の余地のないこのワルン、
大きなテーブルで、みんな相席です。
魚とキュウリのスープ、
揚げ魚とご飯、の3点セット。

このキュウリがとても良く煮込まれていて、
スープがかなりイカした味になっています。
このスープを食べると、
キュウリの格が、ググ〜〜んと上がります。
揚げ魚に付いてくる、サンバル(チリペースト)も絶品。
とても味があり、甘い、、、
、、、、と、油断してたくさん頬張ると、大変・・・
10秒後に口の中が炎の嵐状態になるほど激辛です。
大汗を拭き拭きしながら食べていると
スタッフのTシャツの後ろに、目が行き
“1941”とプリントされてあったので、聞くと
1941年からこの場所でこのワルンをやっているとのこと。
それって終戦前、、、
じゃあ、日本軍兵士も、
このイカン・ゴレンを食べたのかもしれない・・・
日本軍は終戦前の数年間インドネシアに侵攻し、バリ島も至る所に日本軍の駐留基地があったようです。
戦争中のことは、常に酷い話が多いですが、
わたしが遠い村や近所で会った3人のお爺ちゃんたちは皆、わたしが日本人だと分ると、ニコニコ懐かしそうに、嬉しそうに握手して来て、背筋をピーンと張り“軍歌”を日本語で歌ってくれました。
半世紀以上の時を超え、
今でもしっかりと覚えている日本語の歌。
「日本軍兵士は皆、厳しかったけど良くしてくれたんだ」
と言う人もいました。
侵攻地で悪行をする兵士ばかりではなかった事を物語る、生き証人たちのことを思い出すと同時に、戦争中とは言え、きっと日本兵もバリの人たちとの関わりの中で心が安らいだこともあったのではないか・・・
、、、こんなことを思いながら、
イカン・ゴレン屋を後にしました。